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特集

地元の人にこよなく愛されている、あの店この料理 VOL.1

司季彩庵 久呂川


先附、お椀、お造り、八寸、炊き合わせ・・・、御殿場で本格的な和食を頂こうと思ったら司季彩庵 久呂川へ。もともと、オーナーの黒川さんの自宅だった建物を改装してお店をオープン。おかげで、親しい友人宅へ招かれたようにゆっくりとくつろげる。


【先附(さきづけ)】 海老芋の豆腐

まずは、熱々の一品が出てきた。スプーンですくってみると二層になっている。上には出汁と薄口しょうゆで作られた透き通った銀あん、下には、このとき旬だった海老芋の豆腐。四角豆のシャクっとした歯ごたえと、雲丹のやわらかさが口の中で調和して、見事な先附からコース料理がスタートした。


【お造り】 マグロ、ハタ

淡い色をたたえたハスイモ、唐草模様に模られた大根の茎、黄色の花びら南瓜に、真っ赤なビーツ。久呂川のお造りはいつもカラフルで、見ているだけでも楽しくなる。紫色の小さなお花は穂紫蘇。これはお醤油の上に散らして、お造りと一緒に頂こう。


【お椀】 桜海老と白身魚の真丈(しんじょう)の白味噌仕立て

箸で真丈を割ると、ほわっと湯気が昇り立つ。紅葉の形にくりぬいた人参、ひねり大根、ほうれん草、そして京都を思いおこす白みそ仕立て。お出汁の味がじんわりと五臓六腑に染みわたる。

「他とは違うことをしてみたい」

と語るのは黒川 茂規さん。久呂川ならでは試みとして、白味噌に僅かなクリームチーズをしのばせてみた。さらりとした中にコクが出ており、くどすぎない中にコクを出すという、絶妙なバランスに挑戦する久呂川の姿勢をひしひしと感じる。





【八寸】 秋鮭の西京焼き、山海月のきんぴら、スモークサーモン、椎茸のバター寄せ、銀杏、粟麩田楽、
蓮根の蛇篭寿司、ヤーコン甘酢漬氷餅、渋川栗茶巾、紫玉葱甘酢漬

大皿に盛られた季節の草花を目にしながら、霧吹きがかけられた竹の箸で、好きなものを取り皿へよそっていくもうこれだけで非日常の一品だ。世界広しと言えども、和食の八寸のように、一皿のなかにこれだけ手間暇のかかった品々が並ぶ料理はないと言われている。例えば、ヤーコンがさりげなくまとっている白い粉は、お餅の粉。干して水分を抜き、ザルでおろして細かく粉にしていく。和食が表現する非日常を思いっきり堪能できる。



【揚げ物】 嶺岡豆腐の香煎揚げ、ししとう、するめいかの細切り、稲穂

嶺岡豆腐の香煎揚げは、細かく切った人参や玉葱を小麦粉でまぶし、玄米を衣にして揚げた。「お塩で食べて頂こうと思って作った一品です」と黒川さん。ベシャメルソースを和風に頂ける和洋折衷の揚げ物だ。また、稲穂は、そのまま高温の油にくぐらせて、いわゆるポン菓子に仕上げた。「保存すると水分が抜けて、うまくはじけなくなるんです」と言うから、一年のあいだでも限られた時期にだけ楽しめる揚げ物だ。


【炊き合わせ】 海老芋のおかき揚げ、人参、茄子、子持ちの鮎、

お出汁を含ませてから揚げられた海老芋、ねじり剥きされた人参、煮干しで炊いた茄子、甘露煮にしてから煮物に使っている鮎。それぞれの食材が別々に調理されて、一つの器のなかに盛り付けられています。


【御食事】 蕎麦の実のお雑炊

白ご飯と香の物、お吸い物が出てくることが多い御食事だが、「あっ!」と驚いたのは、たっぷりとしたお出汁のなかで炊かれた蕎麦の実のお雑炊が出てきたため。寒かったこの日、最後にほんわりあったかいお雑炊が頂けて、心身ともにホッとした。


【水菓子】 サツマイモのムース、りんご、柿、冬瓜

ピーチリキュールで香りづけしてから煮たという冬瓜が水菓子で登場。器の底からサツマイモのムースを救い上げながら、名残り惜しくこの日の食事を終えた。

和食の醍醐味は、季節を丸ごと味わえること。さぁ、あなたはどの季節の久呂川を楽しみますか?

司季彩庵 久呂川
営業時間/昼11:30~14:00、夜18:00~22:00(※昼夜共に予約がベター)
定休日/水曜日
住所/御殿場市二の岡1-1-43
電話/0550‐82‐5747

旬彩食 農


2014年の秋にオープンしたとたんに、口コミやSNSであっというまに評判が広まり、ランチは予約しないと入れないほどの人気店へ。オープン以来、ずっとお店の看板メニューになっているのがこちらのみのり御膳。


▲みのり御膳 ¥3000

農(みのり)というお店の名前の由来はmオーナーで料理人の池田洋一さんのお父さんが、三島で栽培している野菜を使って料理を提供しようという思いから。篭(かご)の中には、サラダや煮物、季節野菜の天ぷら、そして蒸篭や小鉢が並び、野菜の滋養をたっぷりと味わえる品々が並ぶ。

また、オープン当初から御殿場の食材の素晴らしさを発信し続けている池田さん。お料理にも、ふんだんに地元・御殿場の食材を取り込んでいる。



蒸篭で蒸しあげたり、季節の天ぷらで使ったりするお野菜は、御殿場の芹澤マルシェや勝亦ファームから取り寄せたもの。
さらには・・・・


みのり御膳(¥3000)についてくる愛鷹牛のステーキ。この上からそそぐのは、地元・御殿場の天野醤油。熱々の鉄板の上で、ジュウジュウといった音がはじけ飛ぶ。お肉と白ご飯を交互に勢いよく食べて、あっというまに完食だ。


▲ごぼうのから揚げ ¥600


▲ポテトチップ ¥600

夜になると、一品料理ならぬ逸品料理もメニューに登場。特に、農(みのり)の自社農園で栽培されたジャガイモをつかったポテトチップは、農(みのり)の隠れた名品のひとつ。揚げたばかりポテトチップを、ビールや農(みのり)オリジナルのお酒とともに味わおう。


▲水かけ菜パスタは、池田さんの発案で農協とコラボレーション。製造・販売が実現した。

お店がオープンして以来、御殿場や小山の食材の良さをずっと発信し続けてきた池田さん。「おいしい!」だけを追求するのではなく、質の良い地元の食材(お野菜やお肉)を使ってお料理することへの情熱が、ひしひしと伝わってくる。
御殿場をたっぷりと味わいたかったら、旬彩食 農(みのり)へ行こう!

旬彩食 農(みのり)
営業時間/
定休日/
住所/
電話/

れすとらん 力亭


JR御殿場駅から約200メートルほど離れたところにある、れすとらん力亭。横浜出身の渡邊 力さんが1979年にオープンさせたお店。


▲オレンジ色の壁がかわいいお店の外観


▲富士山をのぞめる広いお座敷。来店したお客さんのほとんどはこのお座敷で食事をする。

力亭の名物は数多くある。金華豚を使ったハンバーグ、名物ビーフシチュ―、タンカレー(現在はなし)、ハヤシライス・・・・。各お料理に熱狂的なファンがいて、昔ながらの洋食を御殿場で40年近く作り続けてきた。



▲ビーフシチュー ¥1850

オープン当初からあるのが名物ビーフシチュー。じっくりと煮込んだ和牛肉は繊維がホロホロと口の中でくずれていく。コクがあるデミグラスソースはパスタでじゅうぶんに絡め取って頂くと、お腹いっぱいに。



▲ハンバーグステーキ ¥1340

デミグラスソースをひたひたにやってきたのは、金華豚が使われているハンバーグステーキ。手ごねのハンバーグの食感はやわらかい。シェフオリジナルの秘伝スパイスが効いている。もちろん、トッピングされている目玉焼きの黄身を和って、さらにまろやかな味を楽しもう!



▲カレー(ミニサラダ付き) ¥価格は確認中

玉ねぎ、にんじん、リンゴの野菜ジュースをベースに、シェフが独自にブレンドしたスパイスが使われているカレーは、辛さはなく、まろやかで食べやすい味。粗びきの豚肉の旨味がじんわりと感じられる絶品のカレー。筆者的ベストプレートの一品だった。

一家三世代で通う地元ファンのお客さんもいるほど、力亭には長年にわたるファンが多い。他にも、カツカレー、焼きチーズカレー、サイコロステーキ、ピラフ、ナポリタン、エビフライなどなど、昔ながらの洋食を確かな技術で作り上げている。

れすとらん 力亭
営業時間/ランチタイム11:30~13:00(オーダーストップ)、ディナータイム17:00~20:30(オーダーストップ)
定休日/月曜日
住所/御殿場市東田中865
電話/0550‐83‐0362

Photo & Text /ミセス食いしん坊
幼いころから食べることが大好き!生まれは福岡。東京や京都で15年間暮らしたあと、結婚を機に御殿場へ移住。
御殿場をはじめ、日本全国どこへ行っても、おいしいものを求める情熱は衰えず、お店の人が心配するまで食べ続けることもあります(笑)。

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